あおい有紀さんにお誘いを受け、横浜「カンプーザ」で行われたお酒の会に行ってきました。


横浜に勤務していた時期もありましたが、最近ではなかなか訪れることがなくなり、久々の横浜はだいぶ印象が変わっていました。

看板もなく、ひっそりと佇む店構え。こんな良い店があったのはしりませんでした。

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カンプーザとは船の貯蔵庫という意味だそうです。

イタリアで本格的な修業をされ確かな腕を持っていらっしゃる洲脇シェフイタリア政府公認ソムリエ多賀氏オーナー兼ピッツァイオーロの高田氏の接客はまさにプロでした。

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楽しみな会の始まり!

なお、感想以外のお料理、お酒の説明は、次第のとおり転記。
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STUZZICHINO


Latte di Pesce in Padella su Ribollita.

北海道産真鱈の白子ソテー 野菜のズッパ(リボリータ)と共に

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富久長 HAKUBI 純米スパークリング(今田酒造 広島)

品種:山田・八反錦

白子やリボリータの細分化されている旨味の成分一つ一つが明確にくっきりと楽しめます。

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・野菜のズッパ(スープ)の上に白子のソテーを乗せてある。スープ、といっても日本のように汁物ではなく、煮込んだものをスープと呼ぶらしいのですが、日本人の感覚としては具だくさんのソース、といった感じ。

白子のトロリ感に、レンコンのチップス、煮込んだ豆、生の野菜など様々な食感が楽しめる面白い一品で、複雑身のある味は和食の旨味に通じるものがあるか。

富久長HAKUBIスパークリングと合わせると、酒単体で飲むより美味しく感じるし、料理の輪郭もはっきりとする印象。


ANTIPASTO


YAKIIMO” con Prosciutto Crudo in Salsa di 4 Formaggi.

種子島産安納芋「蜜姫」のロースト 4種のチーズのソース

パルマ産24ヶ月熟成生ハム「ピオトジーニ」と共に

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土佐しらぎく 美潮 純米吟醸(仙頭酒造 高知)

品種:吟の夢

安納芋の香り・甘みの輪郭を際立たせさらに甘味を倍増させてくれます。星3つならぬ、芋3つ!!!

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・安納芋の甘味、ホクホク感が印象的。4つのチーズを混ぜたものを上に乗せてあったが、ローズマリーが下に敷いてあり、香りがうまく移って上品な香りになっていた。チーズは混ぜないで、別々に乗せて違いを出しても面白かったか?という意見が多かった。上に乗っていた生ハムが超うまい!

土佐しらぎくと合わせたが、しらぎくのなかではおもったよりボリューム感や酸味を感じる酒で、合わせるとアフターの印象がきれいで良かった。


PIZZE


Pizza Stracciatella.

ストラッチャテッラチーズのピッツァ

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Pizza Bianchetti.

生シラスのピッツァ、自家製オレンジ胡椒添え

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巌 拙 純米吟醸生原酒(高井株式会社 群馬)

品種:山田錦・美山錦

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まつもと 愛山 純米(松本酒造 京都)

品種:愛山

醗酵食品の濃厚なチーズにさらに旨味という名の生命が誕生します。

七本鎗 純米(冨田酒造 滋賀) 

品種:渡船

オレンジ胡椒がある時とない時の差が非常に興味深いです。

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・まず、食感がぜんぜん日本のピザとは違う。モッチモチで弾力があり面白い。このピザの生地に含まれる塩味が七本鎗のある種やぼったさを感じる味を劇的に変化させる相性があり、面白かった。ピザには七本鎗が定番になりそう(笑)。

自家製オレンジ胡椒は、オレンジの香りがさわやかに広がり、印象を変える。

当初は巌を合わせる予定だったが、まつもとに急遽、変更。まつもとは、まとまり感はあるものの、ピザとあわせると愛山のためかアフターが苦く感じ、トマトソースと一緒になると酒が少し地味になる印象か。

巌も味見だけさせてもらった。6号酵母使用、変態系の酒かと思ったがきれいな酒だった(笑)。


PRIMO PIATTO


Tagliolini con “SANMA” e Funghi.

サンマとその肝、色々キノコのタオリーニ

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黄金澤 純米吟醸(川敬商店 宮城)

品種:雄町

最後まで食材のすべての味を邪魔せずに合わせられます。

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・印象に残った一品。あおい有紀さんが試食した時は「肝感が薄い」とダメ出しをしたらしいが、今回は、そのおかげか「肝感」が強かった。いままでに食べたことがない味で、イカスミなどとはまったく別物の印象。黄金澤とあわせたが、サンマの肝味に負けずに渡り合えるお酒でした。15年ほど前は、金賞受賞酒などを飲んでも熟成感のある味が多かった印象だが、きれいでバランスが良く、隔世の感があるなあ。印象を改めるお酒。


SECUNDO PIATTO


Guancia di Manzo al Brasato.

山形牛ほほ肉の赤ワイン煮込み 根セロリのピューレ添え

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醸し人九平次 純米大吟醸 HUMAN(萬乗醸造 愛知)

品種:山田錦

まさかの純米大吟醸をメインに合わせちゃいます!

お肉はもとよりソースとの完備な相性にも注目です。

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IL SAKE(新谷酒造 山口)

品種:ヴィアローネ・ナノ

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・根セロリのピューレは、一見マッシュポテトのように見えるが、食べるとセロリの風味。(見た目はセロリとはまた違うみたい)だが。むかご、銀杏などを付け合せに和のテイストをプラス。酸味を利かせた赤ワインソース、脂の味も感じさるほほ肉を、九平次HUMANは酸味、ミネラル感を感じさせる太い味で受け止める。ソツなし。

・もう1本、持ち込み酒を合わさせていただいた。「イル・サケ」。イタリアはピエモンテ州ビエッラで、2011年に始まったイタリア米で日本酒を造る町興しプロジェクトがある。
イタリア米は、酒米向けにつくられたものでなく、飯米用のヴィアローネ・ナノだそうだが、現地の飯米用の精米機で90%程度に磨かれたお米を使用し、新谷酒造(わかむすめ)で今年、試験醸造が行われ100本が造られた。
新谷酒造は、1年を通して仕込みができる四季醸造蔵で、少人数で仕込みを行っている。
設備の規模や、日本酒を造りたいイタリアのグループの考える蔵が非常に近いということで、今回イタリア米で日本酒の仕込みを依頼されたそうです。イタリア現地での試飲および広報活動のため、日本国内販売はわずか30となってしまったが、何とか1本手に入れることが出来た。おいしいイタリア料理の店ということなので、どうしても合わせてみたいと持ち込みさせていただいた。

匂いからして磨きの低いお酒の香り。牧草のような印象。グラッパや泡盛に近いイメージとの声が上がり、言われてみるとなるほどなあ、と感じた。アルコール度数も18%と高いからわかる気もする。

新政が90%のお酒でエポックメイキングなお酒を造ってしまっているので、どうしてもそちらのイメージに引きずられてしまうが、肉には相性良かった。45%精米の高い磨きの酒と、「90」、倍の磨きの低い酒との飲み比べも面白かった。量があればお燗もつけて味を見たかった。


DOLCE


Torta Caprese con Gelato al “AKEKASU”

トルタカプレーゼ 酒粕のジェラートと豆乳のソース添え

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玉川 山廃純米 無濾過生原酒(木下酒造 京都)

品種:北錦

ジェラーとはもちろんですがゴージャスなコートを着飾ったかのようにチョコレートの味わいが倍増します。お酒事態にある柑橘感が2~3秒後にカッチリと一体化することも楽しみの一つです。

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・酒粕の香り飲酒的なジェラート。富士のビオスの会で酒貸すを練り込んだケーキを出された時依頼のデザートまで手の込んだ酒へのオマージュを感じる。

一見、ガトーショコラに見えるケーキにはクルミも入っているそうだ。「玉川」の甘味は、自分的にはプルーンの印象だったが、参加者からはパイナップル、熟したメロン、醤油の香り、との声も。富士錦の会の時に、お酒をかけて食べさせていたので、スプーンの上にトルタカプレーゼを乗せ、浸してみると和風ブランデーケーキのようで美味しかった。

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