20151115 酒サムライディナー第5弾 あおい有紀×松嶋啓介

場所:神宮前 「KEISUKE MATSUSIMA」

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外国人シェフ最年少で、ミシュラン一つ星を獲得した松嶋シェフ。

Bio-sの松木さんや君嶋さんなどもよく訪れていたり、コメントをシェアしていたので、以前から気になっていました。2年くらい前からFacebookもフォローしていた。

しかし現在、ニースを拠点としている松嶋シェフの料理は、なかなか食べる機会に恵まれないだろうなと思っていましたが、あおい有紀さんの「酒サムライディナー」のお誘いを受け、何と食べれることに!楽しみに参加してきました。

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当日は、喜多屋の木下社長、田中六五の田中克典氏もゲスト参加。

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松嶋シェフの故郷、福岡への敬意や、そこから先の世界を楽しめました。

もっと派手な世界を勝手に創造していましたが、松嶋シェフの味は、身体にしみる味でした。

普段の料理も一度食べてみたいと思いました。

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<日本酒>


喜多屋 大吟醸 極醸 しずく採り

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IWC2013にて235583銘柄の「チャンピオン・サケ」。

蜜リンゴのようなフルーティな香り。透明感の高い、きれいにしみる味。

芯の1本通った苦味がしめる程度に感じ、キレを良くする。

甘味・旨味を兼ね備える。きれいでありながら余韻も感じさせる。

糸島産山田錦35%、秋田の岩野君夫先生の抽出したオリジナル酵母を使用とのこと。

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マスターオブワインのSAM HARROP(サム・ハロップ)氏のコメントが寄せられていたが、これが凄い。

「カシスの芽、パッショングルーツ、熟れたグレープフルーツなどの香りが印象的。口に入れると始めは甘味を、後からものすごく柔らかく優しい酸味が加わり、最後に仄かなオレンジやレモンの皮苦味がしめくくる。

エキゾチックでモダン、それでいて見事な芳醇さと透明感を秘めた酒。」

きれいでありながらふくらみ・余韻を感じさせる味、後味の苦味についてまで言及しているコメントは相当な日本酒好きでもなかなか表現しないコメントだと思う。この人はすごい。何十年も日本酒を飲んでいる人かのような表現力だ。


若波 純米井大吟醸FY2

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夏から秋にかけての限定品。リンゴ酸を高く生成する福岡の酵母’福岡夢酵母’のNo2号を使用したお酒。

乳酸、熟したフルーツの香り混じる。

膨らむ甘味の中に、酸味、苦味を感じさせる。酒単体で飲むと少し酸味過多の印象だが、塩み入るとひけがいい。ブイヤベースのゼリーと美味しかった。


田中六五 純米酒 25BY

田中六五 純米酒 26BY

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6年前に蔵に戻る。全量はね木搾り(石を使ったテコの原理を利用して搾る)。

佐賀・東一で修行していて、65%のお酒が気に入ってこれに負けない酒を造ろうとしたのがきっかけだそうだ。「山田錦の田んぼに囲まれている」⇒田中の65%という意味合いだそうだ。

佐賀は全国で5番目に多い61の日本酒蔵があるそうだ。

25BY:最初に注がれた時は、熟した香りがした。酢酸用。旨味(甘味)感も凝縮され、丸い優しさを持つ。味は25BYの方が好きか。

26BY:フレッシュな柑橘系、グレープなどを連想する香り。後味にドライなキレがあり、まだ若い印象も。


三井の寿 純米吟醸 ひやおろしPorchini

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ひやおろしの味。牧草、漢方薬のような苦味を感じさせる香り、蒸れ香。その中に花様のエレガントな香りも感じさせる。乳酸系の酸味をファーストアタックで感じさせ、旨味、若干後味粉っぽい舌触り。料理と合わせると飲みやすくなる。


喜多屋 特別純米「蒼田」山廃仕込み

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乳酸の香り、強い。2種類の酵母をブレンドしているらしい。

しかし後味のキレは良く、きれいな酒の印象。


喜多屋「あいのひめロぜ」スパークリング

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紅麹を使用しているとのこと。きれいなピンク色。

お酢のような香り強い。甘味と酸味のバランス、デザートに合わせるのがわかる。


Menu Fukuokaka

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Maquereaux aux Sesames

胡麻鯖

Poitrine de Cochon grille,puree de piment vert

豚バラの炭焼き、柚子胡椒

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Escabeche

南蛮漬け

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Ragout de legumes

がめ煮

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Ravioles<Hakata>

一口餃子

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・松嶋シェフのふるさとでもある福岡の定番料理。18歳で福岡を出てしまったので判らなかったが、福岡(大宰府)では、昔から外来のいろいろな文化が入り込んで、吸収してきた歴史を感じるとのこと。「胡」の字が入るものは中国から伝わった物の意味だし、南蛮漬けはポルトガル、九州で「焼き鳥」というと豚が出てくるそうだし、現在、松嶋シェフが住んでいるニースでもギョーザは大人気なのだそうだ。そんなふるさとへの敬意を表したプレート。
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下にお米が敷き詰められていました。


OEuf de Poutargue

Tartare de Merou,gelee de bouillabaisse

明太子

クエのタルタル、ブイヤベースのゼリー寄せ
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・非常に上品な甘塩の明太子。クエの食感、ブイヤベースのゼリーが見事。フランスでは釣ってはいけない魚らしく、日本以上に高級魚らしいです。これは日本酒に合わないワケが無い(笑)!


Trippe a la Ni1oise,panisse

ニース風モツ煮込み、ひよこ豆のパニス添え

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・「ニース風」とは、最近トマトも加えるものが増えているが、本来は、玉ねぎ・白ワイン・タイム・ローリエだけで作る家庭料理なのだそう。お皿には粉チーズも加えてある。パニスは最初、ポテトフライかと思う形状。しかし食べるとひよこ豆の香り、ねっとりした食感がまったく別物であることを表す。


Tajarin aux Cepes,sabayon de cepes

セップ茸のパスタ、卵黄ソース

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・セップ茸とはポルチーニ茸のことらしい。お酒に「ポルチーニ」が出ていたのでそこからqインスピレーションされた料理とのこと。卵黄ソースも茶色い色をしていたので、ここにも混ざっているか?卵黄の泡立てられた軽い食感とコク、美味しいパスタ。


Rizotto de Fugu

河豚のリゾット

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骨からしっかり出汁をとってある雑炊ならぬ「リゾット」。

上に河豚がかなりレアな形で乗せられ、美味。


Caille farci au raisins<Marc de Bellet>

鶉のファルシィ

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・ニース風のロールキャベツに仕立てられたメインディッシュ。とてもきれいで斬新な形が目を引く。

マール(ワインの葡萄粕)にしみ込ませたレーズン、野菜などを内側に入れ、上品な甘味が添えられたお肉は印象的な一品。


Fromage de Montagne

山のチーズ

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・山のチーズとは、サヴォワ地方で作られた牛乳製のチーズらしい。ハードタイプで塩味が日本酒にちょうど合う。


Nougat glace

ヌガーグラッセ

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・ハチミツ、ドライフルーツから作られる。周りに酸味の利いたベリーが添えられているが、水あめで皿にしっかりと固定され、配列が崩れないようにされていた。

「あいひめロゼ」はフルーツとの相性も良いと蔵元が言われていた通り、良かった。


Chocolat au the Vert

八女茶風味のチョコレート

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・濃い緑の生チョコレート。

コーヒー
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木下宏太郎社長
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田中克典氏
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記念に松嶋シェフに写真を撮っていただきました。
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震災の後、福島の蔵の応援から始められたという酒サムライディナー。
回数を重ねるごとに、県が増えるごとに。
その存在意義は高まるのかも知れません。

美味しかったです!



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