吟醸番さん主催の出品酒を飲む会に参加させていただきました。
場所は、深浦寿司屋の岡むらさん。
一部では、伝説の寿司屋と呼ばれる知る人ぞ知る名店。
基本的に紹介がないと、予約は受け付けていないようです。
京都で修業し、この道50年という大将。旬の食材を使った料理が素晴らしすぎて、驚愕のレベルでした。
<料理>
輪島のもずく
食感の歯ごたえの良さが、今までに食べたことない食感のもずく。

ワタリガニのビスク
寿司屋でビスクの衝撃(笑)。濃厚で優しく、クセになる逸品。

冬瓜(しいたけ、えび、溶き卵)
具となる海老にちゃんと味付けがしてあり、その分、まわりの餡掛けの味を薄味にしてあり、絶妙。仕事が深い。

鱧寿司
赤酢を使用。


サーモン自家製
水茄子、パプリカ、ブロッコリーをバルサミコ酢で添えてある。しかし、このサーモンの旨さ!塩水につけ、冷燻?いや燻煙の香りはしないか。サーモンの生ハム、的なところが表現としては近いか?日本酒に抜群!

刺身(あいなめ、鱧湯引き、カレイ)
アイナメは2kgものを使用しているとのこと。

鱧とじゅんさいのお椀
今年は冷害でなかなかじゅんさいが入ってこなかったらしいですが、鱧、じゅんさいの旬のお椀は出汁の旨さと共に日本人に生まれて良かったレベル(笑)。

茄子の田楽
甘味を含んだ田楽は、古酒と合わせると酒がキリッとした。

天ぷら(車海老、ぎんぽう、鱧)
天草産車海老は、頭も付けてくれました。
ぎんぽう。こんな大きなぎんぽうを食べたのは、初めてかも知れません。
穴子。ふんわりとした身が美味しい!

寿司
お寿司屋さんの〆は、やっぱりお寿司!(笑)。大トロ、平貝、赤貝、鯵、あと忘れた。アイナメ?
<酒>
まずは全体の写真を。
1.一白水成 全国新酒鑑評会 出品斗瓶28BY(限定12本)
データ:35%精米、アルコール度数17%、2017.6月
酸思ったより強めでバランス取る。開封後、時間経つと厚みを増す。食中の方が、酒が映えるかも。4.5

2.白露垂珠 全国新酒鑑評会 出品斗瓶21BY(非売品)
データ:美山錦40%精米、アルコール度数17.21、日本酒度−2、酸度1.15、アミノ酸度0.8、平成21BY
 まず驚くのが、21BY(8年古酒)とは思えない爽やかさ。古酒らしくなく、それでいて味乗りを感じさせるふくよかな甘さ。開封後、時間が経つにつれ、渋味を中心とする複雑なエッジ、香りを感じさせるようになり、クリーム・乳製品を思わせる甘味、フルーティーな香り。40%はやはり熟成に向いている。5

3.松の寿 全国新酒鑑評会 出品斗瓶28BY(限定4本)
データ:山田錦40%精米、K1801+K901、日本酒度+5.6、酸度1.2、アミノ酸度0.95、アルコール度数17.3、杜氏 松井宣貴、2017.6月
  甘味を主体とする旨味を感じさせ、ドライな後味のキレの良さには特筆すべき存在感。若干、数字よりもアミノ酸多めに感じる舌触りを受けるも、キレの良さで全てクリア。5

4.東薫 全国新酒鑑評会 出品斗瓶28BY(非売品)
データ:35%精米.アルコール度数17度、H29.3月
 クリアな透明感の高い酒質の中に、奥行きの深さを感じさせる。印象は、「きれいだな」の一言なのに、存在感のあるザ・出品酒。好きな味。また特選大吟醸 及川(120本限定の市販酒 生酒)と飲み比べることが出来たが、その印象のあまりの違いに驚く。5

5.花の舞 全国新酒鑑評会 純米大吟醸 出品斗瓶28BY(非売品)
データ:杜氏 土田一仁
 若干うすにごりの状態。純米酒らしいトロミや酸味を感じさせるが、出品酒の中に入ってくると、若干の雑味感の印象。また木香が少しあるか。4

6.紀土 全国新酒鑑評会 出品斗瓶28BY(非売品 限定24本)
データ:山田錦35%精米、アルコール度数17〜18度、平成29年6月
香り、出品酒としては抑え目な印象ながら柑橘様の品の良い香り、太めの甘味をアルコールのキレがうまくおさめる。5

7.鍋島 福岡国税局主催酒類鑑評会 金賞受賞酒 出品斗瓶27BY(非売品 限定12本)
データ:山田錦35%精米、アルコール度数17〜18度、杜氏 飯森直喜、平成28年11月
27BYのせいもあるかも知れないが、若干、エッジがぼやける印象。バランスが良い酒であり、鍋島出品酒のもっといい状態を知ってしまっているだけに、より感じてしまうのかも知れません。4〜4.5

8.鍋島 全国新酒鑑評会 出品斗瓶28BY(非売品 限定24本)
兵庫県特A地区山田錦35%精米、アルコール度数17〜18度、杜氏 飯森直喜、平成29年6月
甘味を主体とした旨味が、きれいにしみてくる。アフターに舌触りが少し残る印象は、アミノ酸?早めに飲んだ方がベストか。4.5〜5

9.東薫 杜氏及川 中取り無濾過本生 特選大吟醸(限定120本 及川杜氏に特注)
データ:山田錦35%精米、アルコール度数17度、杜氏 及川恒男(南部)、平成29年3月
生酒の重さあり。水あめ様の甘味、膜を張るように舌ざわりにに残る。麹香強い。3.5

10.白露垂珠 新精純米大吟醸原酒 雪女神39%精米 28BY(市販)
データ:アルコール度数17.5度、雪女神、精米歩合39%、杜氏 本木勝美
写真を撮り忘れたので、自宅のもので(笑)。もし雪女神が出るのを知っていたら、山形酒104(昨年のもの)を持って来て、垂直で飲み比べたのに。
甘味と酸味のバランスの良さが純米大吟醸の良さを感じさせる。もしかしたら、現時点ではアル添した方がバランスがいいかも知れないが、それでも純米大吟醸で金賞を取るのがさすが。4.5〜5

11.明眸 大吟醸 雫酒7BY(平成12年廃業)
さすがに7BYだと熟成感は否めないが、きれいに熟成している。冷蔵庫で熟成したであろう淡熟型で、吟ヒネと言われる香りを感じる。アフターが思ったよりクリア感高く、きれいに引ける。もう少し様子を見たい酒であった。4

12.南部美人 結の香 大吟醸 斗瓶囲い
これだけ自分の持ち込み。結の香の大吟醸斗瓶取り。通常、結の香は、純米大吟醸でしか出さないことを前提に造られるお酒ですが、わずかに出品酒様に大吟醸が造られている。久慈さんが、春にお会いした時に「現時点ではまだ山田錦の方がうまい」と言ってましたが、どうなったのか気になり(笑)。
芯の通った甘味、若干まだ硬めの印象もあるが、このお酒をイチバン気に入っていた人もいた。バランス良く、やはりうまい。こちらも、もう少し様子を見たい。5

13.杉勇 大吟醸 山田錦35%精米(市販)
データ:兵庫県産山田錦35%精米、日本酒度+4、酸度1.2、アミノ酸度0.9、アルコール度数15〜16度、山形酵母使用、2017.5月
珍味んさん持ち込みの参考出品。ふくはら酒店さんが発売元となっている。乳製品のようなクリーミーな香り、きれいな甘味。キレもよく、飲めてしまう酒か。4.5〜5

14.燦然 純米大吟醸 しぼりたて生原酒 雄町50磨
データ:岡山県産雄町50%精米、アルコール度数17度、平成29年4月
こちらも珍味さん持ち込み。尖った甘味、鋭角的に甘味を感じさせる。この出品酒に入って来て飲み比べると、酸も高めに感じるか。フレッシュでキレ良い。4


 15名で行われたお酒の会。
 その酒、その料理、集まった人たちの日本酒愛なども相まって、非常に楽しかった。「日本酒の話が出来るって、楽しい。」と率直に思った。
最近、あまり試飲会も行かなくなっている。
以前は飲んだことがないお酒が飲みたいお酒!であり、より多くの種類を飲むことを目的としていた。
しかし、昨今は、日本酒の味幅も広がり、種類もより多様化、人気のある酒であっても、長年かけて築き上げて来た自分の好みとは、ずれて合わない部分も生じている。
多様化している今こそ、飲み手も自分の嗜好性を強く打ち出すべきであるかも知れない。これだけ多様化して来る酒に対して、「面白がって」飲み比べることは可能だが、正当な評価を出来るか難しい点もあると考えられる。

さて、その中で、出品酒。
未だに「高ければ美味いのは当たり前」「飲むための酒じゃない」ほか、正当な評価をされないお酒の代表格だと思っている。
実際には、同タンクの出品酒と違い、本斗瓶などは全国でも数本レベルのものが多く、手に入れることさえ困難。しかし、無駄なものをそぎ落とし、クリア感の中に奥行きを感じさせる突き抜けた高みは、一度、感じてしまえば二度と後戻り出来ない、心が震える酒だ。
また、そんな酒を並べて比べることが出来るからこそ解る世界もある。
きっと、これからも僕は僕の中で日本酒の理想像として、飲み続けるのだろう。




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