プロフェッショナル 仕事の流儀、
高橋藤一杜氏。
僕のような呑兵衛にとっては本当に神様みたいな人だ。
若手杜氏ばかりが注目され取り上げられるようになって久しい。だが、まだまだこの域に辿り着いた若手が何人いるのか。

部類の酒好き。「酒飲むのが仕事って、ありがたい」という言葉から始めるが、ぼくは、やっぱり酒が好きな人が造る酒じゃないと好きになれないんだなあ、と思う。

平成30年の中で金賞19回。

造っても造っても努力してもそれが報われない時は、本当につらい(酒が売れない)、という言葉が重みを持つ。高橋杜氏でも、そんなことがあったんだなあ、と思ってしまう。

酒造りを知りたければまず田んぼに来るといわれ、やって来た取材では「肥料をやり過ぎないように」と指導する姿。肥料が多いとタンパク質が増え、酒の味がくどくなるという。

心の余裕が、味に出る。素敵な言葉だ。
いつもニコニコと笑ってステキな人だなあ、と思う。
麹菌にアレルギー反応が出る蔵人がいるとわかるや否や、作業スペースを変更。テレビでは、放冷機の前で振っていた。

櫂入れをしない20年前に廃止。
それなのにこの味わい?と、この時は本当にシロウトながら衝撃だった。

最新鋭のサーマルタンクを廃止。あまりにも理詰めに発酵させちゃうと、均一にはなるが風味としてベストではない。いろんな風味が混じり合ったものが製品の中に映り出される。「遊び心があるホッとするお酒」。
高橋杜氏が発言するとその重みが違う。

製麹菌の温度調整のための重い棚の積み替えを軽減することが出来れば大きな財産になる。出来るだけ手入れをしない。
だれかがリスク覚悟で踏み出さなければ前に進めない。酒つくりの最後の挑戦として、仕舞仕事の廃止を模索する。
まだこんなことを本気で考えている老杜氏がいたんだなあ。

プロフェッショナルとは?と問われ、応えた言葉が「探究心。そして踏み出す勇気」。

酒を飲む方にも必要なことかも知れない。
なんか、由利正宗が無性に飲みたくなって、買って来た。
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